ぢるぢるだいありーずおぶざでっど

女性向け風俗キャスト兼売り専ボーイのブログ

セックスワークサミットの感想について(前編)

毎度ブログのタイトルに驚くほど創造性のカケラも感じませんが、それ以外書きようがない気もしたのでこのタイトルのままいきます。SPA Whiteのなおです。こんにちわ。

 

さて、先日は一般社団法人ホワイトハンズさん主催のセックスワークサミットに参加してきました。サミットの概略については公式HPに記載してあるのでそちらを確認して頂くとして、登壇者の熊田陽子さんと鈴木涼美さんの講演・対談から僕が感じた事を書きたいと思います。

サミット全体を通して、僕としては下記の4つがキーワードとして頭に残りました。

 

過剰さ/多面的な笑い/当事者性/リベラル道徳団

 

何のこっちゃと感じる方もいるかと思いますが、これらのキーワードを僕なりに理解した結果と、一風俗従事者としての感想を書きたいと思います。ちなみに、ちょっと長くなりそうなので、このブログは前編と後編に分けます。それではいきましょう_(:3」z)_

 

前編は、熊田さんの講演で出てきた「過剰さ」と「多面的な笑い」についてです。

 

先ずは「過剰さ」について。

 

風俗店で働くキャストは当然ながら十人十色であり、皆が違う特色を持っています。その際、各々の違いを説明する為に用いたのが「過剰さ」という言葉でした。例えば、自分ができるプレイは何でもやるAさんと、自分が好きなプレイしかやらないBさんがいたとすると、そこには「できるプレイは何でもやる」という過剰さと「好きなプレイしかやらない」という過剰さがあり、そういった「過剰さ」を各々が積み上げていくことで、風俗のキャストになっていくという話です(曲解していたらすみません)。

僕は、「過剰さ」の積み上げという点で、東浩紀さんの「動物化するポストモダン」に出てくるデータベース消費みたいな考え方かなという理解をしました。物語のキャラクターを作る工程に置き換えると、キャラクターという入れ物に萌え要素をどうやって組み合わせていくかによって様々な創作物ができていくみたいな、非常にポストモダン感のある話だなと。

違う点があるとすれば、キャストは人間なので、根本的にはオリジナルであり、要素の順列組み合わせによる二次、三次創作物にはなりえない所でしょうか。だから風俗は面白いんだと思います。

 

「過剰さ」については、とても考えさせられました。風俗従事者として、自分にとっての「過剰さ」って何なのだろうかと。

布団の中で悶々と考えたのですが、現時点の答えは「相手を『お客さん』じゃなくて1人の人間として見る」「相手の為にできることは本気になって何でもやるけど、できないと思ったことは無理をしてまではやらない(矛盾かよ)」「Never Mind The Bollocks, Here’s The Sex Pistols 」「基本的に風俗業界が好き」といったところでしょうか。

僕の「過剰さ」の詳細については別の機会に書きたいと思いますが、自分の風俗業界との向き合い方を再確認するという意味で、とても良いきっかけになりました。

 

次は「多面的な笑い」について

 

これは、(自分なりに変化させた)お客さんの話題でキャスト同士が面白おかしく話をするけど、自分達自身についても笑いのネタとして扱う事で、それが自分達のパーソナルな部分を隠しつつもキャスト同士のコミュニケーションを可能にし、また、新人キャストにとってはその「笑い」に触れる事で、プレイやお店の中でのタブーを学ぶという教育的な効果もあるとの話です(曲解していたらすみません)。

 

これは風俗店の待機所に入った経験のある人なら実感として分かると思いました。日によっては待機所が笑点大喜利みたいな空間になる時があるんです。ですが、僕が自分の周りの話を聞いた経験から言うと、お客さんを本気で貶したり馬鹿にしてるケースが殆どないし、内容にユーモアがあるから居心地の悪い空間じゃないんですよね。これは単純に僕がキャストに恵まれてるだけかもしれませんけどね(これは胸を張って言えるんですがSPA Whiteも売り専の方もみんな良い人だし好きやで♡)。

「笑い」の教育的な効果についても、確かにあるなぁと思いました。

僕が右も左もわからない頃に「お尻にローション無しで指を入れてくる人がいて大変だったよわはは云々」って話を聞いた時には「ぜ...絶対にローションは使おう」って思いましたもん(当たり前だ)。

 

長くなりましたが、最後にサミットの前半を僕なりに総括すると、以下の3つですかね。

 

①風俗店とかキャスト同士に流れる空気みたいなものを言葉と論理に落とし込んでパッケージングできる熊田さんの行動力と思考力半端ないって!そんなんできひんやん普通!

 

②熊田さんが喋る時の言葉の選び方というか雰囲気が好き。飄々としているというか、淡々としているあの感じが良い。職場の上司だったら楽しそう。

 

③やっぱり風俗業界は面白い。

 

それでは前編はこの辺で。

 

ちょっと長いけど最後まで読んでくれた方はありがとうございました。感謝です。

 

それではまた٩( ᐛ )و