ぢるぢるだいありーずおぶざでっど

女性向け風俗キャスト兼売り専ボーイのブログ

風俗の研修って難しいですね

女性向け風俗業界に入って3年と少しが経ちまして、最近は新しくスパホワイトに入ってくる人に向けた研修なんかも請け負ったりしています。資料を作るにあたっては、「仮に自分が研修を受けるとしたらどんな事を知りたいかな」って所に要点を置けるように、頭を捻ってます。

そんな感じで資料を作って研修に臨んでいるのですが、毎回思うのですよ。「研修ってえげつなく難しいですやん」って。いやね、お店のルールとか実務的なことの説明は簡単なのですが、それ以外の風俗における核心的な事柄って考えれば考えるほど難しくてドツボに嵌るんですよね。

俺が思う「風俗研修の難しさの根源」みたいなのって大きく分けて2つあって、それはこんな感じです。

①風俗には普遍的な原理原則が無い

②俺も確たる正解が分かっていない

先ずは①についてです。

この地球には「人間」って沢山いるじゃないですか。そんで、十人十色って言葉もある通り、彼・彼女らの行動様式や趣味趣向って様々ですよね。つまり、俺は生物としての「ヒト」を想定した場合の普遍的な原理原則(絶食したら死ぬとか首を切断したら出血するとか)ってのはあるけど、文化的なバックグラウンドに投げ込まれた人間を何某かの原理原則に当てはめて語るってのは到底不可能だと思ってるんです。

例えば、俺がAさんに「今日は暑いですね」って言ったときに、Aさんが俺の言葉をどのように受け取って解釈したかなんて到底理解不可能な訳です。俺にとっての「今日」とAさんにとっての「今日」、俺にとっての「暑い」、Aさんにとっての「暑い」ってのは完全に一致することもなく、「何となくの物事に対する差異のやりとり」の中でコミュニケーションが出来てるつもりになってるだけじゃないですか。そもそも俺だって完璧に言語を理解して発話してないし、とても不確定なやり取りをし続けてる訳です。

 そんな人間(キャスト)と人間(お客さん)がコミュニケーションを取りながら過ごす時間について、「普遍的な原理原則なんて無いですやん」と思うのです。例えば、「玄関の靴を揃える」とか「部屋の温度に気を付ける」とか、そんな簡単な事は誰でも出来るけど、そこから先のコミュニケーションに正解なんてないじゃないですか。

なので、基本的なマッサージ等々以外の研修内容は割と(こうした方が良いんじゃないかな的な)抽象的な内容になります。現状ではその抽象的な事項を自分の中に落とし込んで個別具体的な行動に変えてもらうしか方法がなさそうなんですね。逆に「女性に対してはこうすれば大丈夫!!」とか「相手を虜にする方法!!」とかって、人間を画一化した存在と想定しすぎていて、言葉を選ばずに言えば傲慢だなと思うのです。出来ることと言えば、「今相手は何考えてんのかなぁ」とか「どんな人なのかなぁ」とか「どんな事が好きなのかしら」とかを考えることだと思ってます。

そんな感じで、風俗って普遍的な原理原則はないよなぁと思っている今日この頃です。

次に②についてです。

自分が大学受験とか公務員試験の勉強をしてた時の事を思い返すと、「難しいし大変だけど単純だったな」って印象があります。多くの事を覚えなきゃいけないし、毎日何時間も勉強しないといけないし確かに大変だけど、「やるべきこと」が決まっていた分、迷うことはなかったなと。つまり、「目的地が示された地図を持っていて道も分かってるから、後は自分で進むだけ」な状態だったんです。ただ、それは自分の家庭環境が特に荒れてなかったという大きなアドバンテージもあったとは思います。

転じて風俗業界で働き始めた当初から今までは一貫して「自分で設定した目的地に向かうために自分で地図を描いて、そこへの道も自分で作る」みたいなテンションで日々生きています。そんで厄介なのが、その目的地も地図も道も正解なのかは自分でもよく分からないって点です。石の上にも三年的なグルーヴで、「こうしたら良い…のか…?」とか「もしかしたらこっちの方が良いかもしれない…気がする」くらいは分かるものの、結局確信はないまま五里霧中状態です。

基本的にそんな不確かな状態の中で試行錯誤するのが嫌いじゃないので何とかなってるけど、①で言及した通り、普遍的な原理原則は無いと思ってるので風俗における「確たる正解」ってのは分かんないんですね。分からないことを飲み込みつつ、よりベターだと思われる方向に少しずつ進むって感じです。

まぁ、そんな感じの考え方で生きてるので、研修で誰かに何かを教えるなんておこがましいぜとか思いつつ、日々進む方向を考えてます。

おわり。