ぢるぢるだいありーずおぶざでっど

女性向け風俗キャスト兼売り専ボーイのブログ

クッキーモンスターに鎮座する虚無、或いは彼の対象aについて

クッキーモンスターって知ってます?


米国の子供向け番組『セサミストリート』に登場するキャラクターで、名前は「シドニー」、クッキーが大好きな事から「クッキーモンスター」なるニックネームで親しまれ、日本でも子供から大人まで知名度の高いキャラクターだと思います。

「何でコイツはいきなりクッキーモンスターの話なんかするんだ?」って思ったそこの君、今から説明するから少し待ちなさい。

風俗店でキャストとして働くにあたって、「色恋の上手い王子様系」や「身体に詳しい技術系」とかその人に合ったキャラクターや方向性があると思うのですが、そういったオーソドックスな方向性は自分にはどれもしっくりこなかったんですね。そんな事をウンウンと思案していた時にふと、「言語が通じる面白い生き物」って良いんじゃね?と思いついたのです。

そして、その方向性をTwitterで打ち出すに当たって「クッキーモンスターってなんか意味わからんけど面白いから、ツイート内容を補完する為に抱き合わせとくか」くらいのノリで、今年の2月に彼のgifファイルと共に以下の文章(原文ママ)をツイートしたんですよ。

 

風俗キャストとしては「男性としての魅力」や「容姿」とかじゃなくて「よくわかんないけど日本語が通じる面白い生き物」というジャンルで勝負をしていきたい今日この頃。

 

本文と関係ないけどデジタルタトゥーって怖いよね。本物のタトゥーより消すの難しいんじゃないかな。

閑話休題

そしてここ最近ね、特に深く考えずツイートに使用したクッキーモンスターについて色々と考えてたんですよ。

現時点でのその考察結果については、以下の通りです。

 

①彼の口に鎮座する虚無と絶対にクッキーを食べる事は出来ない事実について

前提として彼はさ、パペットじゃん。今まで何百回も何千回もクッキーを貪り食べる映像は流れているけど、よく見るとそのクッキーは全部口から溢れてるんだよね。だって彼の口は黒く塗られているだけで穴は開いていないから。でも彼は「チョコチップクッキー美味しいなぁ!」とか嬉々として言ってる訳です。一欠片たりとも食べる事が出来ていないのにもかかわらずね。

これは衝撃的な事実ですよ。発作を起こすほどに欲しているクッキーを全く食べる事が出来ない世界に彼は生きているのです。

しかし今日も彼は、あの焦点の定まっていない表情で叫ぶのです。「クーーーッ!!キィィィーーー!!」と。そんな彼を見ていて「彼の口の中には虚無が広がっているんじゃないか」と思いました。彼の口は、この世界の全てのクッキーを飲み込める程の漆黒の闇が広がっている様でいて、その実全く飲み込む事が出来ないのです。

そこには何の実存も概念もない「虚無」だけが鎮座しているのだなぁとしみじみとしてしまいました。

 

②「対象a」としてのクッキーについて

フランスの精神分析家や哲学者として知られるジャック・ラカンって人が提唱した概念に「対象a(タイショウアーって読むらしいよ)」ってのがあるんだけど、平たく言うと「欲望の原因」の事なのね。ここで重要なのは、対象aは欲求(一時的にでも満たせる食欲とか性欲等)ではなくて欲望の原因だから、絶対に満たしたり手に入れたりする事は出来ない訳だ。それは対象aは言葉によって生じる原因だから、あくまでも象徴であって実際に掴む事は出来ないんだってさ。

一般的な例だと「お金」がわかりやすくて、貨幣は手に入るけど、概念としてのお金は絶対に手に入れられないですよね。

そしてクッキーモンスターは稚拙ながらも言語を操るキャラクターなので、どうしようもなく求めてしまうんですよ。彼の対象aであるクッキーを。しかし悲しい事に対象aを手に入れられないどころか、虚無の広がる口によって単純に「クッキーを食べる」と言う欲求を満たす事すら出来ないのです。

こんな残酷な現実を前にしてもあれほど明るく振る舞っているのは、過去に何者かによってロボトミーを施されたに違いありません。まさにアメリカ社会の闇を見ている気がします。

【まとめ】

彼は現代社会の闇が生んだモンスターなんじゃないか知らんと考えてしまいます。

加速した消費社会に飲み込まれ、感情を去勢されつつも絶対に手に入れる事が出来ない「対象a」を求め彷徨う存在である彼は、虚無が鎮座する口から我々に向かって「クッキー」という暗号で警鐘を鳴らしているのかもしれないですね。「俺みたいにはなるなよ」って。

 

P.S.

この意味不明な文章を最後まで読んだ人は本当に凄いと思うし感謝の念を禁じ得ません。ありがとうございました。

 

それではまた次回のブログでお会いしましょう。